コアラ絶滅の危機

オーストラリアのシンボル的な存在のコアラが、開発や感染症、温暖化などの影響で激減しているらしい。かつては1千万頭以上いたとされるコアラだが、5万~10万頭に減ったとの推定もある。初来日から30年となった今年は日本への輸出ラッシュ。しかし関係者からは「カワイイを超えた支援を」「見たければ現地に来て」という声も聞かれるという。宅地造成や鉱山開発などのために森林が伐採され、コアラと人間の住む地域がどんどん重なってきているそうだ。コアラにとっては「食住」が減って繁殖しにくくなってる上、離れた木々を移ろうと地上を歩いている時に犬にかみ殺されたり、車にひかれたりする例が年々増えているという。18世紀末に英国人が本格的に入植を始めるまでは1千万頭以上いたとされるコアラ。もともと先住民アボリジニーの人々が肉食用に捕ってはいたが、激減した最も大きな理由は入植者による毛皮目当ての乱獲だという。20世紀に入り、市民からの同情が高まって狩猟は各州が禁止したが、数百万頭が殺されたとみられている。乱獲の代わりに増えた住宅地や鉱山の開発によってもコアラの住める場所が減り、「このまま木を切り倒し続ければ、数十年内にも絶滅する」と言う事態になっている。さらに都会のコアラ間で問題になっているのがクラミジア感染症だ。森林地域が減ってストレスが溜まり、免疫力が低下するのも原因のひとつとされ、盲目や不妊症になるほか重くなると死に至るという。人間の身勝手で絶滅の危機にさらされる動物は少なくない。ただ「かわいい」といって動物園でのんきに眺めている場合ではないようだ。